ABOUT

NOMADIC TOYSは、髙杉静代によるジュエリープロジェクトです。すべての作品はアーティスト自身によりデザインされ、京都の小さなスタジオで制作されています。

過去作品におけるドローイングのウェアラブルな使い方の提案を経て、素材や装着にとらわれないノマドな作品の在り方を追求したのち、「持ち運び、好き勝手に人に見せることができて長持ちする、身につけられる詩歌のごとき宝もの」としてのジュエリーに焦点を当て始めました。

ジュエリーは移動する。タトゥーのように身体へ固定されることはなく、つかの間の状態を体現するのみ。けれども、静かな解放のかたちとして、遊動し続ける可能性を宿している。

そこでこのジュエリープロジェクトを「ノマドなおもちゃ」という意味で「NOMADIC TOYS」と名付けました。

NOMADIC TOYSは、身につける遊行のかたち。
どこにも属さないでいられることの自由を、肯定するためのオブジェクト。ステータスや属性とは別のところに価値を見出し、おもしろがれること。それこそが、ラグジュアリーなのかもしれません。

また、NOMADIC TOYSは、小さな声の力を信じています。大きな声だけが、世界を動かしているわけではありません。

小さな声
名もなき声
聞かれることがなかった声
ちりぢりになってしまった言葉
誰からも大切にされなかった感情

私はこれらを、美しいと思っています。

見過ごされ、十分に価値づけられてこなかった声や言葉や感情を拾い上げ、居場所を与えてみたいのです。

小さなオブジェクトは、思考や記憶、抵抗や自由への希求を、身につける人とともに運んでいく。

私は、その可能性を信じてジュエリーを作っています。どんな声にも、存在する価値があるからです。

(この名前は2022年頃からプロジェクト名として使い始めました)

ARTIST

京都芸術大学で美学の学士号を取得し、人間における玩具と遊びをテーマにした卒業論文「ファンタジックな形態の溶解ー玩具遊びの円環運動」で学科賞を受賞。その後、かつて大阪にあったオルタナティブアートスクールで現代美術を学ぶ。

アート活動と母親になる経験を通し、作品が壁面や展示台、室内といった場所に留まることに次第に疑問を抱くようになる。この問いを出発点として、ドローイングをさまざまな素材によって立体作品へと変換し、身に着けられる表現に再構成する制作を始めた。

やがて、かねてより影響を受けていたコンテンポラリージュエリーへの関心から、大阪のヒコ・みづのジュエリーカレッジで彫金を学ぶ。約2年にわたる制作を経て、2026年7月、ジュエリープロジェクトとしての「NOMADIC TOYS」をスタート。